高度な腹水貯留を伴う進行胃癌と診断された父の治療としてSOX療法を選択してから数日たった2017年11月下旬、いよいよ治療が始まった。
治療法選択の経緯はこちら。
診断までの経緯はこちら。
目次
SOX療法初日
TS-1
経口薬であるTS-1は、減量無しの最大投与量でスタート。
しかし、後述するように、翌日にはすぐに減量することとなる。
この頃、腹水に胃腸が圧迫されているためか服用するのにとても苦労していた。
ちなみに、TS-1はOD (口腔内崩壊) 錠ではあるものの、そのままだと抗がん剤の成分が舌に残って細胞を傷害するので少量の水で流し込む必要がある。
ほんの僅かな水分であっても飲むのは辛そうだった。
オキサリプラチン
点滴薬であるオキサリプラチンについては、まず吐き気止めを点滴した後に2時間かけてオキサリプラチンを入れた。
その後、腎臓への毒性を軽減するため、生理食塩水を点滴してハイドレーションを行った。
本人に感想を聞いてみたところ、オキサリプラチン後の輸液がガンガン入ってくる感じで不快だったが、治療が始まり気持ちが少し落ち着いたとのことだった。
SOX療法開始後、2日目
予想していたことだが、オキサリプラチン点滴の翌日以降、腹水の増加と足の浮腫が父を苦しめることになった。
さらに、オキサリプラチンの影響からか腎機能の低下が著しく、2日目以降、TS-1を減量せざるを得なかった。
また、腹部の痛みも増してきたようで、痛み止めの調節も課題であった。
この日までは、針を切らしているという理由で腕の血管を通して点滴が行われていた。
SOX療法開始後、3日目以降
治療開始後3日目から点滴についてはCVポートの使用に切り替わった。
CVポートの設置はこちら。
腹水の制御に着手
この頃から腹水のコントロールに着手し始めた。
点滴により腹水が増加したことはもちろんあるわけだが、根本的な問題として父の血中アルブミン量の低下の影響が考えられた。
アルブミンは血液中に多量に存在するタンパク質であり、様々な分子と結合して血中を運搬したり水分を保持する性質がある。
アルブミン量が回復すれば、浮腫や腹水を改善できる可能性があった。
本来、アルブミンは肝臓で作られるわけだが、栄養が不十分な状況が続いたために父の体はアルブミンを合成する能力が落ちていたことから、アルブミン製剤の輸血と高カロリー輸液の投与が行われた。
輸血の後も浮腫と腹水は改善しないものの、本人曰く、少し調子の良い日と絶不調の日が交互にやってくるようだった。
腹水についてはこちら。
ここまでの副作用
腎臓以外に大きな副作用は認められなかったが、腎機能については悪止まりしたままだった。
SOX療法開始後、1週間から2週間後
アルブミン製剤を投与して数日経つも相変わらず腹水と浮腫は改善せず。
ステロイドの投与を始めたところ、浮腫が若干改善され、この頃からリハビリが始まった。
治療開始時は、ベッドに座っていることすらままならないような状態だったが、リハビリに合わせて廊下を少し歩くようになった。
しかし、少し調子の良い日と悪い日を繰り返すのは変わらず。
調子の良い日に少し動き回ると翌日には息苦しいと動けなくなっていた。
検査をしてみると、胸水も若干溜まっているようだった。
そのような状態のまま、TS-1の1クール目の服用が終わった。
休薬期間
低下した腎機能は変わらず改善しなかった。
SOX療法に合わせて腹水のコントロールについても色々試みたが、その貯留についても変わっておらず、2クール目に合わせて腹水を抜くことが決まった。
2クール目はこちら