さて、覚えていらっしゃる方がどれだけおられるのかはわからないが、私、ひろかずは昨年12月に15mm大のポリープが大腸に見つかり、
今から約3週間前にそのポリープの内視鏡手術を受けた。
術後について詳細を記事にしていなかったが、今回それを記事にしたいと思う。
目次
大腸ポリープ切除術(ポリペクトミー)のリスク
内視鏡による大腸ポリープの切除術は比較的安全な手術ではあるが、偶発症として出血と穿孔があるため術後の注意が必要となる。
出血
出血については、術後24時間以内が最も多いとされ、術後3日間は出血リスクが高いとされる。
また、1週間程度経ってからも、術中の止血に使ったクリップが組織から外れる際に出血する可能性があるため、術後1週間は気をつけなければならない。
穿孔
穿孔とは聞きなれない単語かもしれないが、要は穴が開くことだ。
大腸の腸管壁は薄く、ポリペクトミーは高周波電流を流してポリープを焼き切る方法であるため、意図せずに穿孔が起こってしまうリスクがある。
穿孔してしまった場合、穴の大きさにもよるが腹膜炎を生じる可能性があり、腸管を切除し人工肛門を作らなければならない事態になり得る。
これらを予防するため、少なくとも術後2週間は腹圧がかからないような生活を送り、血行が良くなるような運動などを控え、出血や腹痛などがないか気をつけなければならない。
ちなみに、大腸粘膜には痛覚がないため、切除は基本的に無痛だ。
体も普通に動くため油断してしまいがちだが、手術は手術なので安静を心がける必要がある。
術後の実際
私の術後の経過は至って順調で、入院したのは1泊のみですぐに退院できた。
自宅に戻ってからは、子供達から遊んでくれだの何だのかんだの言われるのを逃げつつ、安静を心がけた。
食事について
退院する日の朝までは絶食だったが、昼ご飯の五分粥から食事がスタートし、退院した翌日からは家族と同じものを食べていた。
ただし、良く噛むことを心がけると共に、油の多いもの、刺激の強いものは避けて過ごした。
病理診断の結果
今回、上行結腸とS状結腸、直腸の3ヶ所からポリープが切除されたが、このうち直腸から切除されたのが15mm大だ。
診断結果は直腸癌
直腸から切除されたポリープが直腸癌、残りは過形成性ポリープだった。
去年の12月の内視鏡検査の結果を見た時点で薄々感じていたので、病理結果を告知された際の感想としては、
やっぱりかー
というのが率直なところ。
ある意味予想通りのため、特段、衝撃を受けた訳でもなく、淡々と話を続けていた。
直腸癌だと言われても動じなかったのは、内視鏡を担当してくれた先生への信頼があったからだと言える。
内視鏡のプロが内視鏡で取りきれると判断したからには、どんなに悪くても進行癌ではないだろうと思っていた。
実際、話を進めていくと、診断された直腸癌は、
- 病理学的には高分化型腺癌
- がんは粘膜内に留まっている
- リンパ節への転移はない
ということで、ステージ0(早期直腸癌)だった。
また、今回切除した組織の断端に関しても癌細胞は含まれておらず、今回の切除を持って癌は完全切除出来ているとのこと。
ひとまず治療としては終了で、1年後に再度内視鏡でフォローを受けることになった。
今回の経験を通じて
今回の直腸癌については、家族に救われたと言える。
父の件が無ければ、痔だろうと甘くみてまだ内視鏡検査を受けていなかったかもしれない。
あと半年遅ければがんが粘膜を飛び出していたかもしれないし、1年遅ければ父と同じような展開になっていた可能性は十分にある。
大腸内視鏡については初めて受ける際に心理的なハードルが高いのは事実だが、痛みも少なくがんの予防効果は絶大だ。
大腸内視鏡検査を迷っている方はぜひ一度勇気を出して受診してみて、実際のハードルの低さを体感してみて欲しい。
ありきたりな話で恐縮だが、最も確実に身を守る方法は定期的な検診しかない。
私の一連の出来事が皆さんの大腸内視鏡検診を後押しする一助になれば幸いだ。